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ブックケース

イギリス

オーク材

1930年頃

横幅：94.5cm　奥行：31.5cm　高さ：133.5cm

3枚扉タイプのブックケースです。
少し飴色がかった落ち着いた色に、彫刻が廃されたすっきりとしたデザインが印象的です。
自然な色の濃淡も素敵ですね。

横幅90cm前後のブックケースでは一つの定番的な横幅のお品で、3枚扉というのは非常に珍しいと思います。
その扉と扉の間にはそれぞれに柱が入っていることで、剛性の面でも安心感があります。
このサイズ感のお品にこれだけの手間をかけているだけでも良いお品であることがうかがえます。
背板にも柱が入っているのも良いですね。
これだけ細かに柱を入れていることで、側板や柱などを太くしなくても十分な強度を持たせることができて、この独特のデザインと言うか印象を作り出しているんだと思います。
簡素ではあっても貧弱ではないというか、しっかり感があるように感じました。
扉一枚の幅が小さくなるので、開閉に必要なスペースがそれだけ小さくて済むのも利点ですね。

和室などにも合ってくれそうなデザインだと思います。
床に座るなど目線が低くなりやすい和室では、こうした脚の短い(無い)タイプは使いやすいかと思います。
華美な彫刻などがないので、どんなお部屋にも取り入れやすく、アンティークビギナーな方にもぜひおすすめしたいブックケースです。
個人的に、ブックケースというアイテム自体が初めてのアンティークに最適かなと思っています。
テーブルやチェアとなると毎日の使用頻度が高く、使い心地という点もかなり重要になってくると思うので。
本やお気に入りを飾ることなら、ちょっと気持ち軽やかに始められそうですよね。
ちなみに安心して頂きたいのが、初めてのアンティークにこのブックケースを選んでいただいたとして、アンティーク歴が長くなってから見てもこのブックケースはやっぱり素敵だと言えるような、プロも認めるかっこ良さだと思います。太鼓判です。

取っ手金具のデザインを見ると、アールデコの影響が感じられます。
左右が少し斜めになったデザインもそうしたところからきているのかなと思います。
1930年頃流行したアールデコは、実験的とも言える独特のデザインを見ることがあり、そんなお品の一つかと思います。
扉のガラス部分が窓のような形になっているのもかわいいですよね。

アールデコは、1925年にパリで行われた博覧会(アールデコ博覧会とも)からそのように呼ばれるようになりました。
曲線的優美なデザインの富裕層向け高級品であったアールヌーボーに対して、工業化の時代を迎えつつある時代に生まれた大衆にも向けられたデザインです。
アールデコの中には富裕層向けの高級なものもありましたが、大衆向けであったものもありました。
この頃以降から職人さんが作るアンティーク家具から現代のような家具に次第に近くなっていきます。
大衆向けとは言いつつも、この現代まで残っているということは、十分に高級品だったんだろうなあと思います。
日本でも昭和初期と言えば家具は高級品ですよね。

天板と前面にニスハゲ、扉にわずかな反りがありますのでお写真でご確認ください。

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お手入れはお品のぐらつきがないか、引き出しや扉の開閉チェックなど実用部分が中心となります。
お掃除やワックスがけ、足裏のフェルトの貼り付けなども行わせていただいております。
記載のダメージに関しましては特別に手を加えることはなく、外観としてはお写真のままでのお渡しとお考え下さい。
棚板の増設、座面の張り替えなど、ご要望がございましたら事前にお問い合わせください。

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